眼心体統合検査 勉強会の記録 2010年

2010年12月8日
ご応募頂いた一般の方を検眼
 30代女性
2010年11月17日
ご応募頂いた一般の方を検眼
 20代男性

(オートレフケラトの値)
右 S-10.00 C-2.50 178 
左 S-9.75 C-1.50 177

(角膜乱視) -2.00 1°
        -1.50 3°
(症状)
眼精疲労  身体疲労  肩こり 鼻炎 他

(現在使用眼鏡:半年前に製作) 
右 S-8.50 C-1.50 180   
左 S-7.25   
両眼矯正視力 0.2 

(両眼視機能検査) 
ドイツ式 アメリカ式ともに正位  輻輳・開散力 強

通常は両眼視機能には問題ないとされる視覚機能だが、精神や身体に強いストレスが潜伏したタイプ。その潜伏したストレスを見つけ出す方法、データの読み方、レンズで体感してもらう方法、ご本人への説明(近視を進行させた経緯や現在の眼の使い方) などを学んだ。レンズでの体感では、モデルの方は感嘆の声をあげ快適さを表現したが、その前に眼の周りを含めた表情の変化があり、それを読み取れるメンバーもいた。


2010年10月17日
角膜曲率の重要性

眼鏡度数調整のときにはあまり使われないケラトメーター(角膜の形:角膜曲率)について。角膜曲率と、眼球運動や近視の進行との関係、度数設定のときの利用方法など。

赤外線熱分布測定装置で測定した眼の周りの温度分布と視覚機能
 温度分布と、上下斜位、輻輳力、開散力など両眼視機能の考察。

2010年9月22日
被検者モデルに応募頂いた一般の方を検眼

強度近視/コンタクトと眼鏡使用
アメリカ式21項目検査でもポラテストでも、結果は内斜位。
しかし本質は外斜位である。それを導き出す検査方法を学んだ。

レーシック手術を受けた人への処方例の検証
近年、レーシック手術後に、眼や身体、精神の苦痛を訴える人が増えてきています。レーシックを受けた人達への視覚機能検査は特に、自覚の快適さに惑わされることが多いので、それに対する注意点を学ぶ。 そのほか、眼鏡店が行なうレーシック後のケア方法について。

2010年8月25日
勉強会初参加者の眼をモデルとしてメンバーが検眼

遠近両用を使用中。ハの字型の斜乱視。眼つきから乱視の発生を解説し、発生原因から導いた眼鏡度数の設定方法。

参加者からの報告
視力0.1、矯正視力0.4。心因性弱視の診断を受けた人の症例。プリズム矯正をすることで、視力が1.0まで得られたという報告。この件について、検証を行い、類似症例の検査方法について学ぶ。

2010年7月14日
初めての参加者が6人。その中の一人の眼をモデルとして検査。
頭脳優先の見方が、近視と乱視の進行を起こしていた。身体の緊張と緩みを切り口にした検査方法。視力表が基準ではなく、身体のリラックスを感じてもらう方法で、25%ほど近視の度数を低くしても充分に満足できる見え方になっていった。

参加メンバーが自持ち寄ったデータから
認知症と診断された方の視覚機能の報告があった。視覚機能の特徴に共通性がある10歳台の子供の眼の動きの映像を見ながら、眼が心と行動に及ぼす影響の一例を学んだ。

2010年6月16日
視力の良い人にモデルになってもらい実践形式で検眼
 
視力は両眼とも1.0以上 30代女性  デスクワーク多い  
 眼の疲れや身体の不調などの自覚症状は無い

 勉強会メンバーが検査を行なう。
 一点集中型の眼で、両眼視機能、立体感などに優れていた。 ただし、高眼圧になりやすい(緑内障などを起こしやすい)眼の使い方で、特にデスクワークでの緊張が高かった。その緊張の自覚はないが、 眼鏡レンズで眼の緊張の緩みを体感してもらことで、今までの自分の見方の 緊張感に自覚が出てきた。眼の使い方からコリが起こりやすいことを伝えると、 首のコリはあるが、以前外傷で痛めたことがあるせいだと思っていたとのこと。コリが眼から来ていることを体感。
 
【今回のポイント】
 
若くて視力の良い人にも、能力を高め、健康を守るための眼鏡を提案できる。
 ※本人の体感を通し、前向きな気持ちで使いたくなる眼鏡。

検査を行うだけではなく、途中途中で、眼の仕組みや、「見る」ことについての説明、 会話をどのように入れていくか。検査を受ける人と調和しなならもリードできる検眼。

 
2010年5月19日
ボーイズリーズチームのスポーツビジョン検査を見学
少年野球(中学生) 親御さん同伴での検査となった
基礎検査は、親御さんに理解してもらうための説明を検査と同時に行った。 また、個人に合わせた視力低下の防止方法をアドバイス。

応用検査は、「見る」ために様々な眼の使い方があることや、見方を工夫すること、途中で気付きを持つこと、身体と心が関わったときに眼が変わることなど、結果の数値だけにとらわれない方法で行なう。ただ単に記録を取るだけの検査にならないようにするためにどのような説明が必要か、やりとりの応用方法などを実践形式で学んだ。

・参加メンバーが各自の眼鏡店で検査したデータを持ち寄り、検査の視点を学んだ。

2010年4月14日
被検者モデルに応募頂いた方の眼の検査
 一日中デスクワークの女性。コンタクトを使用(仕事はほぼコンタクト)
 【症状】眼の疲れ・痛み・充血  頭痛・肩こり
コンタクトレンズと裸眼、それぞれで検査を行い、改善アドバイスを行なう。コンタクトレンズ=視力の良い人への検査にも活かすことができることを学んだ。

2010年3月17日
被検者モデルに応募頂いた方の眼の検査
 先月に続きレーシック手術を受けた方でした。30代男性。

眼の経緯
・小学生の頃から近視 
・中学生から眼鏡使用 
・大学生からコンタクトレンズ使用
・7年前 コンタクト装用時に眼や頭の重を感じる
  コンタクトを色々試すが改善せず眼鏡で過ごし楽になる
・5年前 レーシック手術を受ける
  視力は改善  しかし不調も起こる 
  *夜盲症 *左目奥の痛み *気分がふさぐ
  *目付きに違和感(人の顔を見て話すのが困難に) 
 →眼科を10箇所近く受診。脳神経内科外科に通院。
   薬の服用もするが改善せず。
 →2年前から鍼灸院に通院
  1年前から通いはじめた鍼灸院で症状は随分改善。

この方への検眼、眼の説明、対処(眼鏡作成)、眼の使い方のアドバイスなどを実践形式で行なった。
検査後メガネを作られました。まずはデスクワーク用。その後、調子が良いとのことで日常用も持たれることになりました。感想を頂いていますので一部抜粋して紹介します。

先日はたくさんのアドバイスを頂戴し、ありがとうございました。嬉しかったです。何気ない目付きでギクシャクしていた人間関係が、だんだんとスムーズに目付きのことなど気にすることなく接することができるようになって参りました。感謝致しております。

2010年2月17日
・高校野球の生徒へのスポーツビジョン検査を見学
 当日、視覚情報センターでは高校野球児へのスポーツビジョン検査を行った。
 勉強会のメンバーは、眼鏡処方だけではなく、視力の良い人やスポーツパフォーマンス向上に活かす眼の使い方や見方のアドバイスの仕方を、見学しながら学ぶ。

・被検者モデルに応募頂いた方の眼の検査

 今回のモデルのかたは、レーシック手術を受けた方でした。メンバー代表が検眼を行い、モデルの方への眼の状況の説明、レーシック後の「見る」ことへのケア、 楽に見ることの体感などを行う。

2010年1月23・24日
オリックス・バファローズ球団への視覚機能検査 
眼心体統合勉強会の実践勉強としてメンバーのなかから5名の眼鏡士が参加

検査の主な内容は、ポラテストや米式21項目検査を用いた屈折検査、輻輳力、開散力、眼位などの測定。追跡視、跳躍視、周辺視といった眼の使い方、眼の動き、眼と身体の反応テストなど。眼鏡処方で行う検査とほぼ同じものである。

検査の目的は、選手の眼の使い方や見方の特徴を導き出し、プレー向上につなげることであるため、検査当日は数値を取るだけではなく、選手一人一人に田村代表がカウンセリングやアドバイスを行うのも恒例である。検査員として何度目かの参加になるメンバーは、眼と身体動作や心、意識の関連性を、体感を交えながら選手達へレクチャーすることに挑戦した。

球団には10年を越えるベテラン選手も在籍しているが、毎年検査を受けるごとに見ることへの理解が深まり、プレーや日常生活にフィードバックが出来ているとの感想を述べている。選手の感想には次のようなものがあった。

眼の緊張を軽減する眼鏡の使用と眼使いの改善により視力が改善した
ボールの見方に巾が出た。
身体の力がボールに伝わりやすい眼の使い方、眼の感覚があることが分かった。

首や肩など体の筋肉の張りを、眼鏡を用いて軽減できるようになった。
コントロールの乱れを、眼から修正する方法を知り、活かしている。等。

検査員として参加した眼鏡士の感想

今回で4回目の検査同行になります。
学んだことは、スポーツビジョンの検査は特別なものではなく、日頃お店で一般のお客様に行っている眼の検査の一部でしかないということです。検査では現在の眼を調べるだけではなく、現在に至った原因や、日常生活の行動、姿勢、眼の使い方からくる癖、心の有り方などを知ることができます。
眼心体統合検査では、これらのことを体感で気付いてもらい、良い方向へ変化して頂けるようにすることが大事で、それは一般の方々も同じだということを知りました。
これからは、現在の眼がなぜそうなったのかを考えながら、自身の思う答えに向かってお客様に接していかなければならないと思いました。


現在、眼鏡業界は価格破壊が起こり、販売するのが大変な時代です。しかし当店はあまり景気に左右されず現在に至ります。
当店へのお客様の反応や信頼感が明らかに勉強前とは変わってきています。少しずつですが人の輪も広がり、お客様も増え、活気を持って店を営んでいます。当店が目指す答え、目標が、明確にわかり歩んでいく道が見えました。明るく前を向き、目標に向かって頑張っていきたいと思います。 眼鏡士 Y・K


良い眼とはなにか?実践で使える眼とはどんな眼なのか?その事を今回の検査の中で、選手のみなさんから自然と教えて頂いた気がします。
「眼」は、単なる視力(動体視力も含む)だけでは語る事が出来ない、広く深い世界だと改めて感じました。私自身も含め眼鏡業界全体が、人間の「みる」という世界をよく理解し、お客様を実際にスポーツや健康面で指導出来るような技術を身に付ければならないと思います。
深さを知ると、検査員も仕事にやりがいを見いだし、それがやがて業界全体の活性化に繋がり、眼鏡店が世間から本当に頼られる存在になり得ると確信しています。
眼鏡士 K・F

視覚情報センター